「楽天モバイルは安いけど電波が悪いって聞くけど、本当なの?」
「プラチナバンドが導入されたって聞いたけど、本当に繋がりやすくなったの?」
「山間部や地下でも使えるようになる衛星通信ってどんなもの?」
このような疑問をお持ちではありませんか?
結論から言うと、楽天モバイルの電波品質は着実に向上しています。2024年6月からのプラチナバンド導入と基地局の増強により、これまで弱点とされていた屋内や地下での接続性が改善。さらに2026年末には衛星通信サービスも開始予定で、山間部や離島などのカバレッジも大幅に拡大する見込みです。
この記事では、楽天モバイルのエリア戦略の変遷から最新のプラチナバンド導入効果、そして今後の展望まで、徹底的に解説します。記事を読み終える頃には、楽天モバイルの通信品質が「実際のところどうなのか」について、判断材料が手に入るでしょう。
Contents
楽天モバイルのエリア戦略の変遷
楽天モバイルが第4のキャリアとして参入してから約5年が経過しました。当初は「つながりにくい」という評判に悩まされていた楽天モバイルですが、この数年でどのように進化してきたのでしょうか。
自社回線エリアの拡大とパートナー回線の進化
楽天モバイルが2020年に本格的にサービスを開始した当初は、以下のような課題がありました:
- 自社回線の人口カバー率は約70%程度
- カバーしていないエリアではauのパートナー回線を利用
- パートナー回線ではデータ通信に制限あり
- ハンドオーバー(自社回線⇔パートナー回線の切り替え)時の通信断
しかし、楽天モバイルは基地局の建設を急速に進め、以下のようなタイムラインでエリア拡大を実現してきました:
2020年末 | 人口カバー率 71.5% |
2021年末 | 人口カバー率 95.6% |
2022年末 | 人口カバー率 98% |
2023年9月 | 人口カバー率 99.9% |
また、2023年6月には「Rakuten最強プラン」の提供を開始し、パートナー回線エリアでもデータ制限なく利用できるようになりました。これにより、「自社回線エリア」と「パートナー回線エリア」の違いを意識することなく、全国どこでも快適に通信できるようになりました。
基地局の増強と高度化
楽天モバイルは2025年5月現在、全国で6万局を超える基地局を運用しています。特に都市部では基地局の高密度化を進め、混雑時の通信速度低下を防ぐ対策を講じています。
プラチナバンド導入で何が変わった?
楽天モバイルは2024年6月27日から「プラチナバンド」の商用サービス提供を開始しました。このプラチナバンド導入は楽天モバイルにとって大きな転換点となっています。
プラチナバンドとは?その特徴と重要性
プラチナバンドの主な特徴は以下の通りです:
- 障害物に強い:建物の壁や障害物を透過する能力が高い
- 到達距離が長い:従来の電波と比較して約2倍の距離をカバー
- 少ない基地局でエリアカバー可能:効率的なネットワーク構築が可能
楽天モバイルは2023年10月23日にプラチナバンドの割り当てを受け、2024年6月27日に商用サービスを開始しました。これにより、これまで弱点とされていた屋内や地下での接続性の改善が期待されています。
プラチナバンドの提供エリアと対応機種
2025年5月現在、楽天モバイルのプラチナバンド提供エリアは拡大中ですが、まだ限定的です。
プラチナバンドを利用するためには、対応する周波数帯(バンド28:700MHz帯)に対応した端末が必要です。幸い、楽天モバイルで販売している多くのスマートフォンはプラチナバンドに対応しています。
主なプラチナバンド対応機種:
- iPhone 12以降のシリーズ(iPhone SE第3世代含む)
- Galaxy S22/S23/S24シリーズ
- Xperia 5 III以降
- Rakuten HandやRakuten BIGなどの楽天ブランド端末
お使いの端末がプラチナバンドに対応しているかどうかは、楽天モバイルの公式サイトで確認できます。対応周波数帯一覧で700MHzに「○」がついていれば対応機種です。
プラチナバンド導入後のユーザー評価
プラチナバンドの提供開始から約1年が経過し、実際のユーザーからは様々な評価の声が上がっています。プラチナバンドエリア内での通信改善を実感する声がある一方で、まだエリアが限定的であることから、全体的な評価は分かれています。
総合的に見ると、プラチナバンドが利用できるエリアでは明らかな品質向上を実感できるものの、エリア拡大はまだ道半ばというのが現状です。楽天モバイルは2026年までにプラチナバンド基地局の設置を進める計画で、今後エリアの拡大とともに評価もさらに向上することが期待されます。
次世代通信「Rakuten最強衛星サービス」の展望
楽天モバイルは地上の基地局だけでなく、宇宙からの通信も視野に入れています。2025年4月、楽天モバイルは米AST SpaceMobileと共同で、衛星を使った「Rakuten最強衛星サービス」を2026年第4四半期(10~12月)に提供開始すると発表しました。
衛星通信サービスとは?
Rakuten最強衛星サービスの特徴
このサービスが実現すれば、これまで「圏外」だった山間部や離島、海上でもインターネットや通話が利用できるようになります。また、災害時の通信確保という面でも大きな意義を持ちます。
実証実験の成功と今後のスケジュール
楽天モバイルとAST SpaceMobileは2025年4月、日本国内で初めて低軌道衛星と市販スマートフォン同士のエンドツーエンドでの直接通信によるビデオ通話に成功しました。この実験では、福島県に設置したゲートウェイ地球局から電波を「BlueBird Block 1」衛星に送信し、衛星を介してスマートフォンが受信するという流れでビデオ通話が実現しました。
楽天モバイルの通信品質:現在地点での評価
ここまで楽天モバイルのエリア戦略の進化とプラチナバンド導入、さらに衛星通信の展望について見てきました。では、2025年5月現在の通信品質はどのように評価されているのでしょうか。
第三者機関による評価
また、MMD研究所の調査によると、乗り換え先として最も人気があるのは楽天モバイルで、全体の22.5%を占めています。価格の安さと通信品質の向上が、この人気の背景にあると考えられます。
ユーザーの声から見えてくる現状
実際のユーザーからは様々な評価の声が挙がっています。以下はその代表的なものです:
全体的な傾向としては、価格の安さへの満足度が非常に高い一方で、エリアや通信品質については「以前より改善されたが、まだ大手キャリアには及ばない部分もある」という評価が多いようです。特にプラチナバンド導入による改善を実感しているユーザーが増えているものの、提供エリアの限定性から、その恩恵を受けられていないユーザーも一定数存在しています。
楽天モバイルの通信品質改善のための取り組み
楽天モバイルは通信品質のさらなる向上に向けて、様々な取り組みを行っています。ここでは、その主な取り組みについて紹介します。
「Rakuten最強プラン」プロジェクト
「Rakuten Casa」による屋内エリアの強化
屋内での電波改善策として、楽天モバイルは「Rakuten Casa」という小型基地局を提供しています。これは自宅や会社などに設置することで、建物内の電波環境を改善するものです。インターネット回線に接続するだけで、周囲に楽天モバイルの電波を届けることができます。
移動基地局による対策
楽天モバイルは、大規模イベント会場やお祭り会場など、一時的に人が集中するエリアでの通信品質確保のため、移動基地局の出動も行っています。これにより、混雑時の通信速度低下を防ぎ、快適な携帯電話サービスの提供に努めています。
楽天モバイルは本当におすすめ?利用シーン別の判断ポイント
楽天モバイルの通信品質は確実に向上していますが、すべての人に最適というわけではありません。ここでは、利用シーン別に楽天モバイルがおすすめできるかどうかを分析します。
1. 日常的な使用(SNS、Web閲覧、動画視聴など)
2. ビジネス利用(テレワーク、オンライン会議など)
テレワークやオンライン会議など、ビジネス用途での利用を考えている方は、利用環境によって判断が分かれます。
3. 地方での利用
地方での利用については、エリアによって状況が大きく異なります。
4. オンラインゲームなど低遅延が求められる用途
オンラインゲームなど、通信の安定性や低遅延が重視される用途では、注意が必要です。
最後に:楽天モバイルの今後の展望
ここまで楽天モバイルの通信品質の現状と進化について詳しく見てきました。最後に、今後の展望についてまとめておきましょう。
楽天モバイルは参入から約5年で、大手キャリアに迫る通信品質を実現しつつあります。価格の安さと通信品質のバランスは年々向上しており、多くのユーザーにとって魅力的な選択肢となっています。特にプラチナバンドの導入と衛星通信サービスの開始により、これまでの弱点を克服し、より多くのシーンで快適に利用できるようになることが期待されます。
最終的には、あなたの利用環境や用途に合わせて判断することが大切です。通信エリアのチェックや対応端末の確認を行った上で、ぜひ楽天モバイルの利用を検討してみてください。
よくある質問
楽天モバイルのプラチナバンドは2024年6月27日から商用サービスが開始されています。ただし、2025年5月現在はまだ提供エリアが限定的で、東京都世田谷区を含む5カ所で提供中です。今後、都市部を中心に順次拡大していく予定です。
プラチナバンドを利用するためには、700MHz帯(バンド28)に対応した端末が必要です。iPhone 12以降のシリーズや多くの最新Androidスマートフォンは対応していますが、古い機種では対応していない場合があります。楽天モバイルの公式サイトで対応状況を確認できます。
Androidの場合は「Network Cell Info Lite」というアプリ、iPhoneの場合は「電話」アプリで「*3001#12345#*」を入力するフィールドテストモードで確認できます。バンド28(700MHz帯)を掴んでいればプラチナバンドを利用中、バンド3(1.7GHz帯)を掴んでいる場合はプラチナバンド以外の周波数帯を利用中です。
楽天モバイルの「Rakuten最強衛星サービス」は2026年第4四半期(10月~12月)に提供開始予定です。このサービスでは、特別な端末不要で一般的なLTE対応スマートフォンを使って衛星と直接通信ができ、山間部や離島、海上などでもインターネット通信やビデオ通話が可能になります。
楽天モバイルの4G人口カバー率は2023年9月時点で99.9%に達しています。これは国勢調査に用いられる約500m区画において、50%以上の場所で通信可能なエリアを基に算出された数値です。実際の体感としては地域や建物の構造によって差があるため、重要な用途で利用する場合は事前にエリアチェックをおすすめします。