「長距離走の後半になると足が止まってしまう…」
「マラソンのタイムを少しでも縮めたい…」
「トレーニングの質を高めて、競技パフォーマンスを向上させたい…」
このような悩みをお持ちの方に朗報です。
結論からお伝えすると、EAA(必須アミノ酸)サプリメントは持久系スポーツのパフォーマンス向上に大きく貢献できます。プロテインとは異なる特性を持ち、吸収の速さや運動中の摂取しやすさから、ランナーやトライアスロン選手、サイクリストなど多くの持久系アスリートに活用されています。
この記事では、EAAがなぜ持久力向上に効果的なのか、どのようなタイミングで摂取すべきか、おすすめの商品は何かなど、科学的根拠に基づいた実践的な情報をご紹介します。記事を読み終えるころには、あなたのトレーニングや競技パフォーマンスを一段階引き上げるための具体的な方法が理解できているでしょう。
EAAとは?持久系アスリートに注目される理由
まずは、EAAの基本と持久系アスリートにとっての意義について見ていきましょう。
EAA(必須アミノ酸)の基本知識
EAAの中でも特に「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」の3種類は分岐鎖アミノ酸(BCAA)と呼ばれ、筋肉でのエネルギー源として直接利用される特徴があります。しかし、最新の研究では筋肉の合成や修復、パフォーマンス向上には9種類全ての必須アミノ酸が重要であることが明らかになっています。
EAAとプロテインの違い
項目 | EAA | プロテイン(ホエイなど) |
成分 | 必須アミノ酸9種のみ | 全アミノ酸(必須・非必須を含む20種類) |
吸収速度 | 非常に速い(約30分) | 比較的遅い(1〜2時間) |
消化の負担 | 少ない | やや大きい |
カロリー | 少ない〜ほぼゼロ | やや高い(タンパク質+炭水化物など) |
運動中の摂取 | 適している | あまり適していない |
主な用途 | トレーニング中のエネルギー、疲労軽減 | 筋肉の回復・成長 |
持久系アスリートにとって、EAAがプロテインより優れている点は主に以下の通りです:
- 吸収の速さ:固形の食品や通常のプロテインは消化に時間がかかりますが、EAAはアミノ酸の形ですでに分解されているため、摂取後30分程度で血中に吸収されます
- 運動中の利用しやすさ:消化器官への負担が少なく、高強度運動中でも摂取可能です
- 効率的なエネルギー供給:必須アミノ酸は運動中のエネルギー源として直接利用できます
- 低カロリー:余分なカロリーを気にせず必要な栄養素だけを補給できます

持久力向上におけるEAAの5つの効果
持久系アスリートがEAAを摂取することで得られる具体的な効果を見ていきましょう。
1. 運動中のエネルギー源として機能
長時間の持久運動では、筋グリコーゲン(糖質のエネルギー源)が枯渇していきます。そんな時、EAAは代替エネルギー源として働きます。特にBCAAと呼ばれる分岐鎖アミノ酸は、筋肉内で直接エネルギーに変換されるため、運動パフォーマンスの維持に役立ちます。
2. 中枢性疲労の軽減
長時間運動を続けると、脳内で「セロトニン」というホルモンが増加し、中枢性疲労(脳が感じる疲労)が生じます。BCAAの一種である「トリプトファン」はセロトニンの前駆体である「トリプトファン」と競合するため、適切なタイミングでのEAA摂取はこの中枢性疲労を軽減し、精神的な疲労感を和らげる効果があります。
3. 筋損傷の抑制と回復促進
持久運動中、特にダウンヒルランニングなどでは筋線維が損傷します。EAAにはこの筋損傷を抑制し、回復を早める効果があります。事前にEAAを摂取することで、運動後の筋肉痛(DOMS)を軽減できるという研究結果もあります。
4. 免疫機能のサポート
高強度・長時間の持久運動は一時的に免疫機能を低下させることが知られています。EAAはこの免疫機能の低下を抑制し、トレーニング期間中の体調維持に貢献します。これにより、一貫したトレーニングの継続が可能になります。
5. 水分・電解質の吸収促進
EAAには水分や電解質の吸収を促進する効果もあります。特に暑い環境下での持久運動では、水分と電解質の効率的な補給が重要になりますが、EAAを含む飲料は単なる水やスポーツドリンクよりも効率的に水分を体内に取り込むことができます。
からだがよろこぶ、おいしいEAA
EAAの効果的な摂取タイミングと量
EAAは摂取するタイミングによって得られる効果が異なります。持久系競技におけるベストな摂取タイミングと量を紹介します。
持久運動前の摂取
運動前にEAAを摂取することで、運動中の筋分解を抑制し、筋肉を保護する効果が期待できます。また、運動開始前から血中アミノ酸濃度を高めておくことで、初期段階からより効率的にエネルギーとして利用できるようになります。
持久運動中の摂取
マラソンやロングライドなど長時間の持久運動では、運動中のEAA摂取が特に効果的です。通常のエネルギー源である糖質と一緒に摂取することで相乗効果が得られます。水分と一緒に摂取できるドリンクタイプのEAAが便利です。
持久運動後の摂取
運動後は「ゴールデンタイム」と呼ばれる栄養摂取の好機です。この時間帯にEAAを摂取することで筋回復が促進されます。糖質と一緒に摂取することでグリコーゲンの再合成も加速し、次のトレーニングへの準備が整います。

持久系アスリートにおすすめのEAA製品3選
市場には様々なEAA製品がありますが、持久系アスリートのパフォーマンス向上に特に適した製品を厳選してご紹介します。
1. マイプロテイン Impact EAA
マイプロテインのImpact EAAは、コストパフォーマンスに優れた海外ブランドの定番製品です。水との相性が良く、運動中でもスムーズに摂取できます。豊富なフレーバーがあり、長期間の使用でも飽きずに継続できる点が魅力です。

2. WinsUp EAA
WinsUpのEAAは、日本人の味覚に合わせて開発された国内ブランドの製品です。特に味の飲みやすさに定評があり、運動中でも飲みやすく設計されています。また国内製造で品質管理も徹底しており、安心して使用できます。
日本抗加齢医学会専門医監修 WinsUp EAA
3. Naturecan(ネイチャーカン)EAA
Naturecan(ネイチャーカン)は比較的新しいブランドですが、マイプロテインの元社長が手掛けた製品で品質に定評があります。特に原材料の品質にこだわりを持ち、製造過程での厳格なテストを行っているため、品質を重視する方におすすめです。
Naturecan
製品名 | 強み | 価格(1食あたり) | こんな人におすすめ |
マイプロテイン Impact EAA | コスパ、豊富な味 | 約50円 | 継続的に使用したい人 |
WinsUp EAA | 飲みやすさ、国内製造 | 約70円 | 味を重視する人、国産品を求める人 |
Naturecan EAA | 原材料の質、品質管理 | 約60円 | 品質にこだわりたい人 |
いずれの製品も持久系アスリートのパフォーマンス向上に役立ちますが、自分の好みや重視するポイント(味、価格、品質など)に合わせて選ぶことをおすすめします。
EAAを取り入れた効果的な持久力トレーニング戦略
EAAを最大限に活用するためのトレーニング戦略をいくつか紹介します。
長距離ランナー向けEAA活用法
トレーニング日の例:
1. 起床時:軽い朝食(消化の良い炭水化物中心)
2. トレーニング30分前:EAA 5g + 炭水化物(バナナなど)
3. トレーニング中:30〜45分ごとにEAA 3g + 水分・電解質(スポーツドリンクにEAAを混ぜるのも効果的)
4. トレーニング直後:EAA 5g + 炭水化物(素早い回復のため)
5. 1〜2時間後:タンパク質と炭水化物を含む食事(プロテインでも可)
レース当日の例:
1. レース2時間前:軽食 + EAA 5g
2. レース直前:EAA 5g + 水分
3. レース中:エイドステーションごとにEAA 3gを水分と共に摂取(ジェルなどのエネルギー補給と併用)
4. レース後30分以内:EAA 10g + 炭水化物(リカバリー促進)
サイクリスト向けEAA活用法
トレーニングライドの例:
1. ライド前:EAA 5g + 炭水化物を含む食事やスナック
2. ライド中:ボトルにEAA 10gを溶かし、1時間かけて飲む(2本目のボトルには通常のスポーツドリンクなど)
3. 長時間ライド(3時間以上):補給食と共にEAAを追加摂取
4. ライド後:EAA 10g + プロテイン + 炭水化物(回復食)
レース/イベント当日:
1. イベント前日:夕食時にEAA 5g追加(準備)
2. イベント当日朝:EAA 5g + 消化の良い朝食
3. イベント中:1時間ごとにEAA 5gをボトルから摂取
4. イベント後:プロテイン + EAA 10g + 炭水化物(リカバリー促進)
トライアスロン選手向けEAA活用法
レースでの補給例:
1. レース前日:夕食と共にEAA 10g(準備)
2. レース当日朝:EAA 5g + 消化の良い朝食
3. スイム前:EAA 5g + 水分
4. 第一トランジション:EAAドリンク(素早く摂取できるよう準備)
5. バイク中:30分ごとにEAA 3〜5g + エネルギー補給
6. 第二トランジション:濃縮EAAショット
7. ラン中:エイドステーションごとにEAA + 水分
8. フィニッシュ後30分以内:EAA 10g + プロテイン + 炭水化物(リカバリー)
これらの戦略は一例であり、個人の体質や競技レベル、環境条件などによって調整が必要です。まずは練習で試してから、本番のレースやイベントに取り入れることをおすすめします。

EAAに関するよくある質問(FAQ)
持久系アスリートからよく寄せられるEAAに関する質問とその回答をまとめました。
EAAは9種類の必須アミノ酸全てを含むサプリメントで、BCAAはその中の3種類(バリン、ロイシン、イソロイシン)のみを含むサプリメントです。最新の研究では、筋肉の合成や修復には9種類全ての必須アミノ酸が必要であることが分かっており、特に持久系競技のパフォーマンス向上にはEAAの方が総合的な効果が期待できます。BCAAも運動中のエネルギー源や中枢性疲労の軽減には効果がありますが、筋合成の観点ではEAAの方が優れています。
プロテインとEAAは役割が異なります。プロテインは消化に時間がかかるため、主に運動後の回復や筋肉の成長に適しています。一方EAAは吸収が速く、運動中のエネルギー源や疲労軽減に適しています。持久系競技のパフォーマンスを最大化するためには、両方を適切なタイミングで使い分けることをおすすめします。例えば、運動前・運動中はEAA、運動後はプロテイン(または両方)という組み合わせが効果的です。
持久系競技では、(1)運動開始30分〜1時間前、(2)運動中(特に60分以上の運動では30〜45分おき)、(3)運動直後の3つのタイミングでの摂取が効果的です。特に運動中の摂取は持久系アスリート特有のニーズであり、エネルギー源の補給や中枢性疲労の軽減に役立ちます。ただし、個人の消化能力や運動強度によって最適なタイミングは異なるため、トレーニングで試しながら自分に合った方法を見つけることが大切です。
EAAサプリメントは独特の味がありますが、以下の方法で飲みやすくすることができます:
1. 様々なフレーバーを試してみる(多くのブランドは複数の味を展開しています)
2. 冷たい水で薄めて飲む(濃度を下げると飲みやすくなります)
3. スポーツドリンクや果汁と混ぜる(ただし糖分の摂取量に注意)
4. 少量ずつこまめに飲む(一度に大量に飲まない)
5. ゼリータイプやカプセルタイプのEAA製品を検討する
また、最近は飲みやすさを重視した製品も増えているので、複数のブランドを試してみることをおすすめします。特に日本人の味覚に合わせて開発された国内ブランドの製品は飲みやすいことが多いです。
EAAは基本的に安全性の高いサプリメントですが、いくつかの注意点があります:
1. 過剰摂取は避ける(一般的には1日20〜30gを超えないことが推奨されています)
2. 腎臓疾患がある方は医師に相談してから使用する
3. 妊娠中・授乳中の方は医師に相談してから使用する
4. 初めて使用する際は少量から始める
5. 品質の確かなブランドから購入する
また、個人差はありますが、まれに消化器症状(胃部不快感、吐き気など)が起こることもあります。このような症状が出た場合は、摂取量を減らすか、摂取タイミングを調整してみてください。

まとめ:持久系アスリートのパフォーマンス向上にEAAを活用しよう
EAA(必須アミノ酸)サプリメントは、持久系アスリートのパフォーマンス向上に大きく貢献する可能性を秘めています。その主な効果をまとめると:
- 運動中のエネルギー源として機能し、グリコーゲン枯渇時のパフォーマンス維持に貢献
- 中枢性疲労(脳が感じる疲労)を軽減し、長時間運動の持続をサポート
- 筋損傷を抑制し、運動後の回復を促進
- 高強度・長時間運動による免疫機能の低下を抑制
- 水分・電解質の吸収を促進し、水分補給をサポート
EAAを適切に活用することで、持久系競技のパフォーマンスを一段階引き上げることができるでしょう。まずはトレーニングで試し、自分に合った摂取方法を見つけて、次のレースやイベントで成果を出してください。
